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執筆者の写真Maretsugu Furugen

最後のカツ丼

勇気を出して近くの食堂へ行ってみた。

恐る恐る中に入ってみると年配の女性(店主?)が迎えてくれた。

何が美味しいのかお薦めなのかわからないので食べ慣れたカツ丼にしてみた。外でいる時は一人の方が心地いいけれど一人で食べるのはとても緊張する。店内は僕以外誰もいなくて居心地が悪くて落ち着かないでいると一人入ってきた。背中越しに感じたのはその人は常連ぽい感じの男の人で店主と少し話してた。

そしてカツ丼を注文した。

すると店主は「カツ丼は売り切れた。」と聞いた瞬間思わずゴジラの炎のごとく口から吐き出す所だった。「えっ!もしかしてこのカツ丼は彼の?」それからはもう居心地の悪さを感じるどころではなくどんぶりを両手で隠しながら「すみません僕が食べているのはカツ丼ではないです〜。」と訳のわからないことを思いながら連写のごとく食べ終わって引きつった顔で(きっとそんな顔してた)「ご馳走様でした美味しかったです。」と言って出てきた。味? 味は全然覚えてない。


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